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CLASSY.(クラッシー)名古屋 新栄店 東海唯一の高級ホテルヘルス

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2018年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年03月

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■第25話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明



第25話 ~きっと神~



わたしはブレーキに足をかけ
ゆっくり目線を右側へと延ばす



「・・・顔?」



「・・・人?」



「恐いんですけど・・・」



「なに?」


光と暗闇のコントラスト
大きな目があるのは分かる
顔らしい輪郭もなんとなく見える

得体の知れないそれは
ピクリとも動かない

わたしも動かない


「ザザザザッ」


何故かステレオにノイズが走る


恐怖が走る


わたしはハイビームを
それに当てる


暗闇に浮かび上がる
光のシルエットは
人ではない


「お、大きい」

「つ、角?」


そのシルエットは
もののけ姫のシシ神様に
デジャブする


「鹿?」


「なんか見たことある」


「・・・?」


「シシ神様だ」


無表情で角は大きく
無数に入り組んで伸びている

神を崇める様に
わたしはハイビームを当てるのを
すぐにやめた

それと同時に
ゆっくりと右側の森から
車道へと出てきた

シシ神様が
ゆっくりその姿を現す



「で、でか」



動物園で見る鹿とは
あきらかに違う
一回りも二回りも大きいだろう

角だけで1メートル以上はある

ゆっくり車道へと降り立った
シシ神様との差
およそ10メートル


ヘッドライトの白い光と
茶色であろううっすら見える毛並み
暗闇の黒が重なる


鹿らしきそれは
絶妙な光のバランスで
金色に輝いてるように見える



「シ、シシ神様じゃん」



わたしにはどう見ても
もののけ姫の
あの登場シーンが重なる


ブレーキに足をかけたまま
わたしは動けない

車道に降り立った
シシ神様が
ゆっくりこちらを向いた


背筋にゾワっと
緊張が走った


金縛りにあったかの様に
瞬きすらゆるさぬ
圧倒的存在感


こんな生物に出会ったことがない


恐怖や不安もあったが
それと同じくらい
見たこともない生物に出会えた
高揚感も感じていた

まだ寒さ残る冬の山
わたしは体が熱くなっていた

こちらを向いて
見つめ合っていたのは
およそ1分ほどだっただろう

時間で言えば1分だが
その間はとてつもなく
長い時間が経ってるように思えた


シシ神様は
ゆっくり動きだし
左の闇に消えていった


「シシ神様だよな、絶対そうだよな」

「あれ?ていうか左側って崖じゃね?」


わたしは10メートルほど
車を進めて
左側の崖を覗き込んだ


「暗?暗くて何も見えん」


わたしは暗闇の崖を見つめた
目を細めて見渡すが
何も見えなかった


「見ちゃったよ、神」


「うおぉぉぉーーーー」


興奮が押し寄せた


次回・・・「第26話」?!

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