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CLASSY.(クラッシー)名古屋 新栄店 東海唯一の高級ホテルヘルス

超個人的に感じたことを楽しく面白く時に切なく勝手に配信中でございます♪

2017年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2018年02月

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■こんな本があったら絶対読んでしまいます!第1話です・・・■


うさぎ

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明





第1話 ~出逢い~



「いらっしゃいませ」



男は明るい声でお客様を迎え入れた。

ここは田舎街のとある風俗店。



大都会とはほど遠いが

古き良き昭和の雰囲気が漂う

駅周辺だけが栄えた歓楽街だ。



煌びやかな街に隠れるかのように

密かにその風俗店はあった。





「いつもありがとうございます」

「今日はどの子にされますか?」



わたしは慣れた感じで

お客様に応対する。

大手企業のサラリーマン時代を捨て

風俗の世界に飛び込んで

早1年が過ぎようとしていた。



この日は大仕事が一つあった。

ある女の子が無事この業界を卒業し

借してあった寮を引き払う手伝いがある。



その子はわたしが勤め始めた時からいて

すごい頑張り屋さんだった。

いわゆるナンバーワンってやつを

何か月もキープしてた人気の子だった。



風俗店で働き始めて

知ることがいっぱいあった。

卒業の前にいなくなってしまう子も沢山いた。

ちゃんと卒業できることは

本当に喜ばしいことだと知った。





寮から荷物を運び出し

ワンボックスカーに押し込む作業。

何往復かしてほとんどの荷物を積み終えた。



すると女の子がわたしを

部屋の中へ呼んだ。

部屋の中には大きな三つのゲージ

それぞれに1羽ずつ

うさぎが入っている。





「う、うさぎじゃん?」



「てか、寮でうさぎ飼ってたの?」



「てか、めっちゃうさぎ好きじゃん」



うさぎを目の前で見るなんて

小学校の飼育小屋で見た以来

自分でもよく分からない

興奮が沸いた。



「へ~、うさぎって意外と可愛いんだね」



一瞬興奮したものの

正直そんなに興味がなかったのだろう

心のこもってないお世辞が出た。



「本当に可愛いと思ってないでしょ?」



女の子に見透かされた。



すかさず弁明するわたし。



「いやいやそんなことないですよ」



「この茶色いやつなんてシュッとしてて可愛くない?」



シュッとして可愛い?

よく意味の分からない弁明だ。



「フフフッ」



女の子が笑う。



「1年間お世話になりました」



女の子が改まって言う。



「お陰で無事卒業することが出来ました

本当にありがとう。」



「いやいや、わたしなんて半人前

こちらこそ助けて頂きました。」



照れながらわたしが答える。



女の子はわたしの顔を見て



ニコっと微笑むと続けてこう言った。



「お礼にこの茶色い子あげますね」



「・・・はい。えっ?」



「・・・。」



「えっ?」



「いやいや大切なうさぎさんを

もらうだなんて・・・」



困るわたしを楽しそうに

女の子は追い詰める。



「さっき可愛いって言ったじゃないですか」



「いやいや、それは・・・」



「シュッとして可愛いんですよね?」



「いやいや、それは・・・」



「もう一回この子見てくださいよ」



「この子の目を見て飼いたくないって

言えますか?」



うさぎの目は円らに憂いを成し

漆黒の瞳に純粋な生を輝かせている。





わたしはあっけなく落ちた。





「じゃぁ、卒業記念と言うことで・・・

ありがたく頂きます。」





女の子は素直に喜んだ。



「ところでこのうさぎってオス?メス?」



「オスだよ。」



「ふ~ん、名前ってあるの?」



女の子は誇らしげに言った。





「かをるだよ。」







次回・・・「第2話」?!



見たよ






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■健康第一!いつまでも元気でいるために・・・そこには新しい物語■

 

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