超個人的に感じたことを楽しく面白く時に切なく勝手に配信中でございます♪
2018年02月14日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第19話 ~予感~
マックも食べれて
充電器も買えたし
そろそろ帰ることにした。
「いや、待てよ」
「せっかくの休み、今日の夜はひとり鍋でもしよう」
わたしは思い立ち
アピタの食品コーナーに向かった。
「ちょっと贅沢にすき焼きにするか」
白菜やシイタケ、牛肉などを買い
わたしは車へ戻った。
ゆっくり車を走らせながら
家路に向かった。
ほどなくして駐車場に車を停め
食材を手に持ち家に入った。
「かをるー、ただいま」
「帰ったよー」
食材をキッチンに置き
こたつのスイッチを入れ
テレビをつけ
夜までくつろぐ準備をする。
こたつに入り
リモコンでテレビのチャンネルを
行ったり来たり
面白そうな番組を探した。
時間はまだ夕方に入る頃
気に入る番組がない。
わたしはあきらめ
かをるをゲージから出し
戯れることにした。
かをるは
だいぶリビングに慣れたようだ。
わたしはかをるの頭を撫で
可愛い表情を楽しむ。
時間が経つにつれ
わたしは異変に気付く
いや、うすうす気づいていた。
何かがおかしい、と・・・
嫌な予感は的中してしまう。
「かをるーーーー!」
次回・・・「第20話」?!
| 未分類
| 21:34
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
2018年02月12日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第18話 ~SAIKO~
回復の呪文が使えたら
さぞ便利だろう。
現実は甘くない
「ホイミ」では治らない
家に唯一ひとつしかない
携帯充電器。
かをるをチラっと見る。
でもかをるが悪い訳じゃない
うさぎの生態を知らなかった
わたしのせい。
かをるの頭をちょんちょんと
撫でる。
「よし、今日は充電器を買いに行くぞ」
わたしの休みは決まった。
充電器を買う。
「かをるちょっと行ってくるわ」
わたしは家を出た。
太陽が高く昇っている
時計は昼を回っていた。
昨日からの雪は
わたしの車をおおい
駐車場にはまだ雪が積もっていた。
わたしは素手で雪を払いのける
「冷た!ハァ、ハァ」
息で手を温めながら
繰り返し車の雪を払いのけた。
「よし、走れそうだ」
わたしは車に乗り込み
走り出した。
車道の雪はだいぶ溶けている。
太陽が当たっている所は大丈夫そうだ。
車で走り出したものの
携帯の充電器をどこで買おうか
悩むわたし。
「そうだ、久しぶりにアピタへ行こう」
車で10分ほどの所にアピタがある。
わたしは向かった。
駐車場に車を停め
わたしは店内に入る。
「あぁ、なんか久しぶりに来た」
十代とか高校生の時など
店内のマックなどで
たむろっていたことを思い出す。
わたしは店内をぶらぶらと
物色しながら充電器を探した。
ほどなくして
小さな電気屋コーナーで
充電器を見つけた。
「さぁて、充電器も買えたし、どうしようかな」
十代の頃を思い出したこともあって
無性にマックが食べたくなった。
「マックだな」
わたしはマックへ向かう。
店内は子連れのお母さんたちや
女子高生たちなどで賑わっていた。
わたしはカウンターに並ぶ。
「店内で」
「テリヤキバーガーのセットで」
「コーラで」
「ナゲットマスタードで」
手慣れた感じでオーダーした。
それにしても
無性に食べたくなるマックのポテト
中毒性の何かが入ってるのではないかとさえ思う。
わたしはセットを受け取り
空いてる席に座る。
正面の席には女子高生が3人座っている
何気に座ったが
少し気まずさを感じた。
わたしたちを見る為に座ったんじゃない?
と、思われるのは嫌だった。
しかし
そんな思いも気にすることはなかった
女子高生たちはおしゃべりに夢中のようだ
キャッキャッと楽しく3人で話している。
とは言え
チラチラ見てたら
それこそ気持ち悪い。
わたしはテリヤキバーガーに集中した。
久しぶりに食べるそれは
満たされるほど美味く
やっぱり何か入ってるんじゃないかとさえ思う。
わたしは目の前の
テリヤキセットにだけ目を向け
あちこちで飛び交う会話の
キャッチボールをBGMに
ポテトとナゲットを
交互に楽しんでいた。
正面に座ってる女子高生は
もっぱら学校の話で盛り上がってる。
わたしもそんな青春時代があったな
と、物思いにふけった。
女子高生の一人が話し出す。
「ねぇねぇ、聞いて聞いて」
「え、なになに?」
「そう言えば、今日の朝なんだけど、出かける時にね」
「最近、変質者が出るからあんたも気を付けなさい!」
「って、お母さんに言われて」
「うんうん、それで」
「大丈夫だよ、心配しないでってわたし言ったの」
「昨日も出たらしいから気を付けなさい!」
「って、なんか怒ってきてさ」
「え?昨日出たの?こわーい」
「それでさ、わたしお母さんに聞いたの」
「変質者って何?どんな感じの人?って」
「お母さんも見た訳じゃないから分かんないんだけど・・・」
「えぇ?何それ?気を付けようないじゃん」
「でも、近所の話だと・・・」
「白い羽毛布団を被った大男らしいよ」
「って、お母さんが言ってたの」
「羽毛布団って?」
「そんなの被って歩く?」
「いる訳ないよねー」
「マジ笑える」
「そんなのいたらサイコだよ」
「マジ、サイコ」
「サイコ、サイコ」
「キャハハハハハアハハ」
わたしはそんなサイコに
昨晩出くわしてしまった。
そんな話に興奮と嬉しさのあまり
「えっ?マジで?」
テリヤキセットから
女子高生に目線を向けると同時に
思わず心の声がもれた。
女子高生3人が一斉に
わたしを見る。
わたしはナゲットを
片手に持ったままフリーズ
女子高生たちは
わたしを見ながら
ひそひそと
「何この人?」
みたいな感じで話している。
この空気
どうするわたし。
こんな時は笑いに変えたら
きっといい。
渾身の一言を探す。
コーラを手に取り
ゴクゴク飲みながら整える。
整いました。
わたしは女子高生たちを
キッと見て一言
「サイコ、最高!」
満面の笑顔を向けた。
女子高生たちは片付けもせず
一目散にマックから姿を消した。
次回・・・「第19話」?!
| 未分類
| 23:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
2018年02月12日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第17話 ~レベルアップ~
今日は休み。
わたしはシャワーを浴びながら
今日の予定を頭の中で考えていた。
数分後
シャワーを浴び終わった
わたしはタオルを腰に巻いて
リビングに向かった。
かをるはソファーに向かって
一生懸命穴を掘っているようだ。
ガサガサガサガサ
前足でソファーにアタックしている。
遠目から見てたわたしは
「可愛いやつだな」
ボソっと漏れる。
リビングに入り
わたしはかをるに向かって
歩いていく。
すぐに
足の裏に少し硬くて柔らかい
変な感触を感じた。
「うわっ、何か踏んだ」
「何だ?!」
わたしは立ったまんま
足を持ち上げ裏側を見た。
黒緑色の1cmも満たない
何かを踏んで潰している。
わたしはすぐかをるを見た。
「フンじゃん」
「かをるー」
かをるは穴を掘るの止め
静止する。
辺りを見渡したら
カーペットの上に点々と
かをるのフンが転がっている。
後で調べたら
うさぎはトイレでももちろんフンをするが
無意識でも出てしまう
言わば生理現象なのだ。
仕方のないことだ。
とは言え、わたしは踏んだ。
うさぎのフンはほとんど臭くない。
ほどよい硬さ、指でつかめる。
多少ためらいもあったが
わたしは点々とするかをるのフンを
ひとつずつつまみ
ゴミ箱へ捨てていく。
「かをる、コロコロし過ぎじゃん」
静止してるかをるを
ゲージの中に戻し
わたしは足を洗う為
再びシャワーを浴びた。
「うさぎってコロコロとフンしちゃうんだな
ゲージから出す時は気を付けよ」
わたしは
ドラクエのレベルアップ音が聞こえた。
うさぎの生態を少し覚えた。
わたしは着替えを済ませ
出掛ける準備を整える。
「雪も少しは溶けたかな」
「今日は何処へ行こうかな」
休みと言う実感が湧いてきて
ワクワクする気持ちが駆け巡った。
わたしは充電してあった
スマホを手に取り
どっか面白い所はないかと
画面をスクロールし始めた。
サイト内を行ったりきたり
しばらく画面とにらめっこをしていると
ふとわたしは気付く。
「あれ?充電されてない?」
「充電機ちゃんと刺したよな?」
わたしは独り言をつぶやきながら
スマホに刺さってる
充電器のコードを手で手繰り寄せた。
コンセントに刺さってる充電器本体は
ピクリとも動かないが
コードだけはするすると近づいてくる。
手繰り寄せたコードの先に
充電器は付いていない。
「え?」
「ん?どういうこと?」
コードの先をよく見てみると
切れている。
「あれ?切れてる?」
「切れてる?」
「切られてる?」
「噛み?切られてる?」
「・・・?!」
「かをるーーーー」
わたしは知らなかった。
うさぎは何でもかんでも噛んでしまう
生態があるのを・・・。
わたしは
ドラクエのレベルアップ音が聞こえた。
うさぎの生態を少し覚えた。
「あーぁ、充電器これしかないのに・・・」
「・・・」
「ホイミ!」
次回・・・「第18話」?!
| 未分類
| 02:33
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
2018年02月10日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第16話 ~テリトリー~
深夜、深々と降った雪。
カーテンを開け窓の外を見ると
一面雪景色になっている。
良いのか悪いのか
わたしは今日、休みだ。
朝、太陽の光が照りつけてるとはいえ
車で移動するのは大変だ。
朝はゆっくりかをると
戯れることにした。
わたしはこたつに入りながら
ゲージの入り口を開け
かをるを初めてゲージから出し
わが家へ解き放った。
飛び出したはいいものの
初めて出る世界にびくびくし
ゲージの前から動こうとしない。
わたしはこたつに入ったまま
しばらく様子をうかがう。
かをるはクンクンと
カーペットの匂いを嗅ぐ。
嗅いだら前足両方を使って
カーペットをキュッキュっと押す。
「何してんだろう?」
「安全を確かめてるのかな?」
それにしても可愛い仕草だ。
「こりゃ、明日店長に報告だな」
わたしは店長の反応にワクワクした。
かをるは自分のテリトリーを
広げるかのように
匂いを嗅いで前足で押して
匂いを嗅いで前足で押して
徐々に広げていってるようだ。
「かをるー、大丈夫だから
走り回っていいよ」
わたしは声をかける。
かをるがこちらを向く
ピョンピョンっと
一歩ずつわたしに近づいてくる
かをるの頭を撫でる。
わたしの周りをピョンピョンと
楽しそうに飛び跳ねる。
わが家のリビングは
かをるのテリトリーになった。
飛び回る楽しそうなかをるを見て
わたしは嬉しくなった。
楽しそうなかをるをそのままに
わたしは出掛ける準備をしようと
シャワーを浴びた。
しかし
わたしはまだ知らなかった
うさぎの生態を・・・
次回・・・「第17話」?!
| 未分類
| 23:32
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
2018年02月08日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
↓前回までのあらすじを読む↓■こんな本があったら絶対読んでしまいます!第14話■第15話 ~正体~
「うわぁぁぁっ」
わたしは悲鳴を上げた。
ヘッドライトの明かりに照らされ
2メールはある大きな白い物体が
のそ、のそ、っと、
交差点内に進入してくるのが
見えた。
わたしは驚きのあまり
ブレーキにかけた足を
グッと踏んでしまう。
右から来た物体に慌てて
わたしは左にハンドルをきる。
後輪が滑っていくのを感じる。
ハンドルを戻し右にきり直す
左前方に車体が流れる。
謎の大きな白い物体が
ゆっくりこちらに進んで来るのを感じる。
交差点を半分塞ぐように
車は進行方向とは水平になって止まった。
わたしはサイドミラーで
近づいてくる物体を確認する。
ヘッドライトは何もない正面を照らし
薄暗い街灯、止まない吹雪
目を凝らしながらミラー越しに
近づいてくるその物体を確認する。
「動いてる・・・?」
「大きい・・・白くて大きい」
「あれ・・・人?」
男性の顔らしきものが見える。
「え?雪男?」
「マジなやつ?」
「嘘でしょ?」
得体の知れぬものに
突然恐怖が襲ってくる。
薄暗い中に
ふわふわした大きな白い物体に
顔が付いている
ミラー越しに見えるそれは
恐怖でしかない。
車に近づいてくる
あと1メートル。
わたしは恐怖のあまり正面を向いたまま
直視できない。
運転席側に立っている気配を感じる。
いる・・・
真横にそれはいる。
わたしは恐る恐る窓を見る。
「!?」
「ふ、ふとん?」
「羽毛ふとん?!」
大きな白い羽毛布団を頭から
すっぽり被りくるまっている。
「お、おじさん?!」
無表情のおじさん。
雪男じゃない。
いやこれはこれで怖すぎる。
吹雪の中
白い羽毛布団を頭から被って
全身くるまってるおじさん。
無表情のまま、こっちを見てる。
めっちゃ怖い。
わたしは訳も分からず
運転席に座ったまま
おじさんに向かって
ゆっくり会釈をした。
おじさんは何かを感じ取ってくれたのか
のそ、のそ、っと
再び進み出した。
車の前方へと進んでいく
異様な雰囲気を放つ羽毛おじさん。
ヘッドライトに映し出されるシルエットは
未確認生物に等しい。
しかし、幽霊の類いではない
しっかり足がある。
ヘッドライトに照らされた足元は
黒いクロックスに素足だ。
全てが「何故?」を残し
羽毛おじさんは暗闇の中へと
消えていった。
わたしは車の向きを立て直し
かをるが待つわが家へ帰った。
明日には
「恐怖!羽毛おじさん!」
の噂が街に溢れてるだろう。
かをるの頭を撫でながら
わたしは安堵した。
次回・・・「第16話」?!
| 未分類
| 00:43
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≪ PREV | PAGE-SELECT | NEXT ≫