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CLASSY.(クラッシー)名古屋 新栄店 東海唯一の高級ホテルヘルス

超個人的に感じたことを楽しく面白く時に切なく勝手に配信中でございます♪

■第34話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明



第34話 ~公園のベンチ~



お店から1分ほど歩くと
大きな公園がある

歓楽街のオアシス的な存在だ

真ん中に洒落た噴水があり
お母さんから子どもから
サラリーマン
おじいちゃんおばあちゃんまで

老若男女問わず
憩いの場となっている


わたしは店長に
公園まで連れ出された

今までにないパターン
少しずつ不機嫌なオーラが
伝わってくる

季節は3月の終わり頃
陽は少し西へ傾きかけていた
まだ肌寒さが残っている

わたしは寒さもあり
両手をポケットに突っ込んでいたが
ポケットから手を出し
かしこまった


ハンマーで頭でも殴られるのか?
それくらいの緊張感と覚悟を考えていた


代の男がふたり
公園のベンチに腰をかける


「おぅ」

と、言って店長が
温かい缶コーヒーを
わたしに差し出す

何かめちゃくちゃ怒られる
雰囲気だったため
少し拍子抜けするわたし


「い、いただきます」


店長とわたしは
缶コーヒーをグッと飲んだ


少し間を置いて
店長がひと言わたしに言う



「あなたの仕事は何ですか?」



「・・・仕事ですか?」

「わたしの仕事は・・・」

「接客したり電話の受付したり、えーと」

「あと、ネットの更新したり、掃除したり・・・」


店長はわたしの言うことを
うんうんと首を少し振りながら
腕を組み目を閉じながら聴いている

店長は黙ったまま
わたしを推し量っているようだ


「あとは・・・売上を上げることですかね」


「・・・」

「・・・」

数分の沈黙のあと
店長が口を開く



「違います!」



わたしにずっしりと
店長が言い放った


次回・・・「第35話~熱いもの~」


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■第33話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明



第33話 ~連れ出される~



「お疲れ様です、どうされました?」

「あの、今日出勤してもいいですか?」

「出勤ですね、何時から入れますか?」

「夜の10時から0時迄で短いんですけどいいですか?」

「・・・」

「2時間ですか?」

この時
心に余裕のなかったわたし
まったくもって
自分のことだけしか
考えていなかった

わたしは頭の中で考える
遠方から来て2時間だけで
お仕事1本勝負で
そして送りで往復2時間で
これはどうなんだ?


「少々お待ちくださいね」


わたしはいったん保留にし
隣にいた店長に尋ねる


「店長、出勤したいって言ってるんですけど」

「2時間だけなんですよ」

「どうしましょう?やめときます?来てもらいます?」


店長は少しムスッとした表情を見せ


「・・・来てもらって」


困ったようにわたしに言った


「え?いいんですか?」

「わかりました」


わたしは少し食い下がりながら
店長の指示に従う


「あ、お待たせしました」

「それじゃ、22時から出勤でお願いします」

「気を付けて来てください」

「あ、ありがとうございます。」

「失礼します」「失礼します」


お互い挨拶して電話を切った


店長が困ったのは
女の子の出勤ではなく
どうやらわたしのようだ


店長は椅子から立ち上がり
新入社員に声をかける


「ちょっと出てくるからお店頼むね」

「はい、わかりました」


そして・・・


「ちょっと来て」


わたしを外へ連れ出した


次回・・・「第34話~公園のベンチ~」



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■第32話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明



第32話 ~1本の電話~



同じような生活が
気づけば数週間過ぎていた


朝起きて
かをるの頭を撫でる

仕事が終わって
帰ってきて
かをるの頭を撫でる


振り返ったら
1日が終わってる
気づいたら
かをるの頭を撫でてる


確かなのは
かをると触れてる時
心が和らいでる
癒されているのだろう

その瞬間瞬間は
鮮明に残っていた


「かをるは本当、無垢だなぁ」


わたしは
美味しそうなチモシーをチョイスして
かをるに食べさせた


小刻みに
モグモグと食べる仕草は
たまらなく可愛いのだ


わたしは
かをるの頭を撫でて
おやすみの合図を送った



仕事に
遠方の送りが加わって
1ヶ月くらいがたった頃だ

少し寝不足気味に
なっていたわたし

心の余裕が
無くなりかけるてることに
自分自身でも気づいていなかった


ある日
送りの女の子は休みだった

どことなく
ホッとしてしまっている
わたしがいた


そんな時だ


「リロリロリロンリロリロリロン」


事務所の電話が鳴った
わたしが出た


「はい、お疲れ様です」


相手は
いつも送る女の子からだった


次回・・・「第33話~連れ出される~」

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■第31話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明



第31話 ~変化~



スマホのアラームが鳴る
わたしは目を覚ました

昨日は誘惑に負け
マックを買って帰った

リビングでは
甘く香ばしいマック臭が漂う


朝から食欲を誘う


ゴミ袋をギュッとしばり
わたしは仕事へ行く準備を始めた



ここから3日間ほど
単調な生活リズムが続く


仕事へ行く


仕事が終わる


女の子を送る


1時間かけて帰る


ジャンクフードの誘惑


かをる頭を撫でる


眠る


仕事へ行く


仕事が終わる


女の子を送る


目を擦りながら
1時間かけて帰る


ジャンクフードの誘惑


かをるの頭を撫でる


眠る


仕事へ行く


仕事が終わる


女の子を送る


目を擦りながら
レッドブルを飲む


1時間かけて帰る


ジャンクフード食べる


かをるの頭を撫でる


眠る



おそらく本当に
あっという間だった
記憶に残らず
3日間が過ぎていた


近場の送りはあったが
遠方の送りは今までなかった


初めて送りの大変さを痛感していた

いやむしろ、初めて”仕事”と言うものの
大変さを痛感していたのかもしれない



1年前、、、
わたしはサラリーマン時代を捨て
この業界に飛び込んだ


「楽しそう・・・」


ただそれだけだ
今思えば、何も考えてなさ過ぎだ


それゆえ
判断基準は楽しいかどうか
職場の雰囲気も楽しくなるよう
ふざけては笑いが起こるよう
していたのかもしれない

それはそれで
楽しい職場で
いいのかもしれないが

ただ、わたしはこの1年
仕事をしてきたのではなく
してきた”つもり”
だったのかもしれない

わたしはきっとまだ
仕事のことを何も知っちゃいない
店長はきっとそのことに
気づいていたのだろう


この送りの件から
店長とわたしの
ふざけあっていた関係が
少しずつ変わっていく

わたしが憧れを持つようになる
”仕事士”と言われる人たち
それがこんな身近にいることに
気づくのはわたしがもう少し
仕事を覚えてからの話である


次回・・・「第32話」?!

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■第30話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明


第30話 ~黄、赤、オレンジ、黄~


わたしは女の子を送り届け
再び深夜の国道を走る

やっぱり大型トラックが多い
ハンドルをギュッと握りしめ
運転に集中する

しばらく走ると
黄色い看板が見えてくる

前方に松屋だ
深夜の牛丼はきっと最高だろう


「おっ、松屋じゃん」

「あぁ、小腹空いたしなぁ」

「この時間帯の牛丼なんて絶対うまいよな」

「でも、早く帰りたいしなぁ・・・」

「かをる待ってるしなぁ・・・」

「でも絶対うまいよなぁ・・・」


しかし、わたしは帰宅を選択
松屋をやり過ごした


ほどなく走ると
今度は赤い看板が見えてくる


すき家だ


二度目の牛丼の誘惑
しかし、わたしは帰宅を選択
すき家をやり過ごした

街を抜け
辺りはこの国道のみ
快調に飛ばした

町を二つほど越えた
今度はオレンジ色の看板が見える


吉野家だ


三度目の正直
しかし、わたしは帰宅を選択
見事に牛丼トライアングルの
誘惑に打ち勝った


「やべー、黄、赤、オレンジの誘惑やべー」

「違う日ならもう絶対寄っちゃうね」

「でも今日は帰るぞ」


わたしはひとりで意気込み
再びアクセルを強く踏み込んだ

町をもう一つ越え
快調に国道を飛ばしていた


「ふー、あともうちょっとだな」

「この町を越えればわが家だ」


わたしの気持ちは
一気に帰宅モードになった

BGMを
浜省の「家路」へとCDを替え
家路を熱唱して国道を突き進む



前方左側に強い光を感じる


「なんだあの黄色い光は?」


わたしはアクセルから足を離す


「あ、あの文字は・・・M」


マクドナルドが左前方で
黄色く輝く


何か入ってるんじゃないかとさえ思う
あのポテト中毒症状
無性に食べたくなるあの衝動


わたしに襲いかかる

ブレーキに足がかかる

左ウィンカーが点滅する

ドライブスルーする

わたしは我慢をスルーする


「うん、しょうがない」


自分に言った


「よし、持ち帰ってかをると戯れながら食べよう」

「きっとうまい」


誘惑に負けたことを
正当化した


「そういえば明日も出勤するって言ってたな」

「これから深夜のジャンクフード誘惑こりゃはんぱねぇな」


そう思いながら
わたしはマックを買って帰った



次回・・・「第31話」?!

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