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CLASSY.(クラッシー)名古屋 新栄店 東海唯一の高級ホテルヘルス

超個人的に感じたことを楽しく面白く時に切なく勝手に配信中でございます♪

■第39話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明




第39話 ~つよいもの~


「そ、そうなんですね」


そう話す女の子は
とてもたくましく見えていた


女の子の頑張る気持ちを
壊してはいけないと思い

意見することも
余計なことも
言うのはやめて
「そうなんですね」を貫いた


送りを任される時に
店長に言われていた
と、言うのもある


「女の子を送る時は、聴いてもいいが、しゃべるな!」

「軽はずみな言葉が女の子の人生を左右することもあります」

「だから聴いてもいいが、余計なことは言わないように!」


最初の時に
真剣な顔して言っていた

聞いたときは
ピンとこなかったが
今なら何となく分かる


その事が分かったからなのか
ディープな話に逃げたのか
ただ
わたしは聴くだけに徹した


礼儀正しくて真面目で
少しか弱そうに見えていたが

女の子って強いな
すごいなと思った

男のわたしなんかより
本当たくましく思えた

わたしは
自分が小さく見えた



女の子もいろいろ
人生もいろいろ
何をって訳じゃないが
わたしも頑張ろう
と強く思った


女の子にお仕事付けてあげたい
以前、そんなふうに意識していただろうか?


そうなったらいいな
から
そうしたいに
少し意識が変わっていった


店長は
仕事にわたしの感情は関係ない
と、以前言っていたが

この付けてあげたい
と言う感情も
やっぱり関係ないのだろうか

店長が意図してることは
まだやっぱり分からない


でも

仕事が楽しいって
少し前に感じていた
楽しければいいとは
一味違った

何かを感じていた


そんなことを思いながら
今日も無事
女の子を送り届けた


次回・・・「第40話」?!

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■第38話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明




第38話 ~D&D~


缶コーヒーのように
車内は温かな雰囲気に
包まれた


送り出してから1ヶ月
こんな温かな雰囲気は
今までになかった


女の子も今までにない
空気感を感じ取ったのだろうか


どちらが聞いた訳でもないが
女の子は自分の身の上話を
ぽつり、ぽつりと話し始めた


「あの・・・わたし」

「色々あって母が女手一つで育ててくれたんです」



「そ、そ、そうなんですか?」



いきなり片親であると言う
ディープなところから突っ込んできた

ディープ過ぎて
聞いていいのか、聞かない方がいいのか
冒頭から悩むわたし


「母は体が弱くて、病気がちで・・・」


悩むわたしをよそに
話が進む

母の体が弱い?
これまたディープからディープへ
行こうとしている


ディープなことは
あまり聞かない方がいい
それが人生の上手く行く秘訣です
みたいなことを
昔読んだ本に書いてあったような・・・


「あの、すみません」

「その話、わたし聞いていいんですか?」


話の腰を折りまくり
流れを折りまくり
せっかく女の子が
心を開こうとしているのに

わたしは話をさえぎった


「いいんです!聞いてください!」


「・・・?」


「は、はい・・・」


あれ?こんな力強い子だったっけ?
女の子の熱量に負ける


「母は体が弱いけど、一生懸命働いてくれて
わたしを大学まで入れてくれたんです」



「そ、そうなんですね
お母さん大丈夫なんですか?」



「大丈夫です、体は弱いですが元気です」

「でもきっと、わたしが想像つかないほど
苦労してきたと思うんです」

「それでも母はいつも優しくて・・・」



「そ、そうなんですね」



「大学の費用を今も払ってくれてて・・・」



「そ、そうなんですね」



「わたしが自分で何とかしたいと思ったんです」



「そ、そうなんですね」



「大学の費用もわたしが何とかして
大学出たら、良い所に就職して
早く母に楽をさせてたいんです」



「そ、そうなんですね」



そう話す女の子は
とてもたくましく見えた


次回・・・「第39話」?!

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■第37話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明




第37話 ~温かいモノ~


女の子にお仕事がみんな決まり
わたしはほっと胸を撫で下ろした



数時間後―



その日の仕事が終わり
わたしはあの女の子を送る為
お店の前に車を回した


「店長、準備できたので送ってきます」

「おぅ、気を付けて」


わたしは女の子を
後部座席に乗せ
出発した


出発してすぐ
女の子がコンビニへ寄りたいと言った
わたしはコンビニへ寄り
女の子が戻ってくるのを待った


しばらくして
女の子が戻ってきた


「お待たせしました」


「大丈夫です?出発しますね?」


「はい、お願いします」


再び出発しようとすると
後ろから両手を伸ばしてきた


「ん?え?」


女の子は少し恥ずかしそうに


「はい」


と、言って両手を差し出している
よく見ると
缶コーヒーを両手でそっと包んでいる


「どうぞ」


女の子が言う


「わ、わたしにですか?」


「いつも遠くまで送って頂いてるので、これくらいですが感謝の気持ちです」


「あ、ありがとうございます。じゃあ、遠慮なく」


缶コーヒーはとても


温かかった



わたしが受け取ると
ほっとしたように
女の子に笑顔がこぼれた


その笑顔を見て
急にわたしは恥ずかしくなった


ここ1ヶ月
自分を振り返ってみたら
眠いだの、遠いだの、往復2時間だの

もしかしたら
毛嫌いな態度も取っていたかもしれない
態度に出ていたかもしれない

それなのに
ありがとうと言って
笑顔を向けてくれる


女の子の方がよっぽど大人だった


次回・・・「第38話」?!

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■第36話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明




第36話 ~温かいもの~




店長とわたしは
公園からお店へ戻った

新入社員が少し心配そうに
わたしを見る

わたしは何かを察し

「うん、大丈夫」

と、伝えた


通常通りわたしは
仕事へ戻った



あれから時間は過ぎ
夜10時になり
あの女の子が出勤して来た


「おはようございます、今日もよろしくお願いします」

「おはようございます、すみません、まだ決まってなくて・・・」

「なんとか決めますので、少しお待ちください」

「そんな、いいんですよ。ありがとうございます、よろしくお願いします」


礼儀正しく真面目な女の子だ
普通に人気が出てもおかしくない
可愛らしい女の子だ


いつもと同じ更新作業だ
でもいつもと違う
作業は同じだが、わたしは
なんとか「付けたい」と思っていた


店長は
仕事にわたしの感情は関係ない
と、言っていたが

今、「付けたい」と思う
この感情も関係ないのだろうか?

わたしにはまだ理解することはできなかったが
ただ、「付けたい」と強く思った


しばらくすると
お店の扉が開いた


「いらっしゃいませ」


よく来る常連様だ

奥の席へ通し
わたしが接客にいった


「今日は少し飲んじゃってるから」

「なんて言うか、支えてくれそうな
礼儀正しくて真面目な子がいいなぁ」


ドンピシャあの子じゃないですか?
わたしは心の中で叫んだ


「お客様、それでしたら・・・」


「この子です!」


わたしは自信を持って
勧めた

ドヤ顔、自信満々、言い切ったわたし


「お兄さんのその自信・・・信じるわ」

「ありがとうございます」


客席から戻ったわたし


「店長、あの子決まりました」


店長が少しニヤっとしたように見えた


「お仕事決まったのあなたが伝えてあげてください」


店長の役回りを
何故かわたしに譲ってくれた


次回・・・「第37話」?!

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■第35話 こんな本があったら絶対読んでしまいます!■

「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明




第35話 ~熱いもの~




「違います!」


わたしにずっしりと
店長が言い放った


「・・・ん?」


違う?
わたしの頭の上に
はてなマークが出る

困惑してるわたしに
店長が続ける


「女の子に1本でも多く仕事を付ける」

「それがあなたの仕事です」


その言葉だけ聞くと
至極当然の様なことに聞こえるが
店長は更に続ける


「1本仕事を付ける、それ以上もそれ以下もないんぞ!」

「その仕事に対してあなたの立場や感情は関係ないんぞ!」


少し感情的になったのか
なまりが入り語尾に力が入った


この時のわたしには
この言葉の本質にまだ
気づくことはできなかったが
女の子の気持ちを無視し
自分の感情を優先してるわたしに
店長は怒ったのだ


怒ると言うより
叱るだ
叱って諭す


店長の懐の深さに
大人の男の
魅力みたいなものを感じた


叱りつけたわたしに
店長は続ける


「あなたなら分かってくれると思う」

「楽しいもいいけど本気で仕事に向き合ってみてください」


店長はわたしの肩をポンと叩き
グッと肩を握ったまま


「期待しています」


店長はわたしの目を見て
静かに、そして力強く
投げかけた


わたしは目頭の奥が熱くなった
今まで面と向かって
期待してるなんて
言われたことがなかった


店長が本当に
大きく見えた


わたしは返す言葉が見つからず
いや、目から溢れそうなものを
抑えるのに必死だったのか
ただ、コクリと頷いた

わたしは隠すかのように
うつむいたまま
店長の言葉を噛み締めた



わたしは顔を上げ
店長を見つめた


「公園で男二人、肩抱き合ってたらあなた気持ち悪いですよ」


そっと店長が茶化す


わたしは店長の魅力に、つい


「い、いいかもしれないです」


「・・・?」


「いやいや、受け入れないでください」


「・・・」


「プッ」


「ワハハハハハハッ」


わたしは店長と久しぶりに

笑った


次回・・・「第36話~温かいもの~」


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