超個人的に感じたことを楽しく面白く時に切なく勝手に配信中でございます♪
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2018年03月01日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第28話 ~良いことの前兆?~
優しい太陽の日差しで
わたしは目覚めた
「あぁ、なんかスッキリした目覚めだ」
同時にスマホのアラームが鳴る
「今日は自然と目覚めたな」
「昨日自然に触れたからかな」
「なんか頭もスッキリしてて今日いい感じな気がする」
わたしは仕事へ行く準備を始めた
「かをるー、そろそろ行ってくるね」
かをるの頭を撫でた
「今日は良いことありそうな気がするよ」
「昨日のシシ神様パワーかな」
「じゃあね、かをる」
わたしは仕事へ向かうため
家を出た
ほどなくして店の駐車場へ到着
「よーし、今日は店長に昨日のシシ神様の話してみよう」
わたしは少しわくわくした気持ちで
お店の扉を開けた
カウンターに女の子が座っている
店長が面接しているようだ
わたしは店長に入って大丈夫か
目でうったえた
店長が首をこくっと下げた
どれくらい面接をしていたのか
分からないが
女の子は和やかな雰囲気で
時折、笑顔を見せていた
「さすが店長」
わたしも店長に笑顔を見せた
「何?気持ち悪いんですけど」
どっと明るい雰囲気になった
「それじゃ、今日から頼みますね」
と、店長がわたしの肩をポンと叩いた
わたしは何のことか分からなかったが
「はい」
と、だけ答えた
女の子は入店が決まってたみたいで
急いで入店準備に取り掛かった
店長が宣伝ようの写真を撮り始めた
わたしはヘブンネットへ
女の子のプロフィールを作成していく
そんな調子で
バタバタと日は暮れていった
「いやー店長、無事デビューできて
お仕事もしっかりついてよかったですね」
「今日起きたら良いことありそうな気がしてたんですよ」
「あの子、今日から遅番出勤するから」
遅番が少なくほしいと思っていたところだ
「おっ、これは嬉しいですね」
「やっぱり良いことあると思ってたんですよ」
「ラストまで働いて帰り送ってあげてくださいね」
「送りっすね、いいっすよ」
「あの子どこまでですか?」
「・・・」
「N市まで送ってあげて」
「・・・えっ?」
「N市ですか?」
「知人バレが不安でここまで通うから」
「帰り頼むな」
店長が語尾を強くして言う
N市は隣の街のそのまた隣の町の
隣の町の隣の町の隣の町の隣街だ
「店長、下道で1時間はかかりますよ」
わたしはいつもの店長の口癖を
真似て言う
「マジっすか?」
「店長、マジっすか?」
わたしは少し
笑いが起こると思っていた
しかし
返ってきた言葉は・・・
「これ、仕事やからな!」
低く野太い声で
ずっしりと叩きつけられるかのように
その言葉はわたしに襲いかかった
次回・・・「第29話」?!
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2018年02月28日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第27話 ~帰宅~
車へ戻ったわたしは
愛車ビュートのエンジンを回す
「おっ、やっぱり今日は調子がいいな」
わたしは登って来た道を
ゆっくり下って行った
「エンジンブレーキ」
「おぉぉぉ」
「エンジンブレーキ」
「おぉぉイエ―ィ」
「いいコーナリング」
下りを楽しみながら降りる
「おっ、シシ神様がいたところだ」
わたしは徐行し辺りを見渡した
「やっぱりもういないか」
少し残念な気持ちになりながら
わたしは下って行った
下りは早く
あっという間にふもとまで
到着した
「ふー、なんか楽しかった」
「マジ夜景最高でした」
「よし、国道に向け帰りますか」
わたしはアクセルを強く踏み
国道へ入り
わが家へと向かった
途中どこにも寄らず
真っすぐわが家へ帰った
数十分後
「かをるーただいま」
「帰ったよー」
わたしはすぐかをるに話しかける
「てか、聞いてよかをる」
「シシ神様に会ったよ」
かをるのほっぺたを
両手でぐりぐりしながら
わたしは興奮を伝えた
しばらくかをると
戯れながら
シシ神様、綺麗だった夜景の
興奮話を一方的にかをるに話した
カーテンの隙間から
うっすら明るさが漏れる
「うわっ、もう朝じゃん」
「ちょっとでも寝なくちゃ」
「かをるおやすみー」
わたしは急いで布団に入った
「いやー今日は面白かったな・・・」
「・・・」
改めて確認しておく
男ひとりだ
とってもロマンチックな
ドライブとなった
次回・・・「第28話」?!
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2018年02月28日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第26話 ~願い事~
勝手にシシ神様と決めつけ
興奮冷めやらぬまま
わたしは頂上をめざした
数分後
ちょっと開けた
砂利の広場へ出た
辺りは暗くて見えないが
どうやら駐車場みたいだ
わたしは車を停め
外に出た
左手に小さな小屋
右手が丘になっている
丘へ登る入口に
「展望台」と立て看板がある
わたしはスマホの明かりを頼りに
シーンとした暗闇の丘を
一歩ずつ登り始めた
「暗?外灯一つくらいあっても・・・」
「ここでシシ神様来たらマジどうしよう」
「車の中だったから興奮して終わったけど」
「ここで来たら”マジっすか?”100回くらい言いそう」
わたしは暗闇の怖さを掻き消すように
ぶつぶつ言いながら丘を登った
3分ほど登ったところ
どうやら展望台へ到着した
眼下に広がる
街の明かり、高速道路の並ぶ外灯の列
散りばめられた光のアクセントは
まさに求めて来た夜景そのものだった
「すげーすげー、マジ綺麗じゃん」
「え、すげー感動なんですけど」
冬の山、夜、天候は快晴
わたしは空を見上げた
街では見たこともない
強い光を放つ星たちに
わたしは更に感動を覚えた
「えー何これ?」
「すげー光ってる」
「星ってこんな明るかったっけ?」
「すげー、マジすげー」
「すげー・・・」
「・・・」
「・・・」
わたしは黙って
夜景と星空を堪能した
「おっ!流れ星」
わたしはすぐに願い事をかける
「これからも仕事がうまくいきますように」
意外と迷信好きだ
しかし、この願い事とは
真逆のことが起こっていくとは
この時はまだ知らなかった
どれくらい夜景を
楽しんだろうか
「よし、そろそろ帰るか」
「かをるも家で待ってることだし」
わたしは車へと戻った
次回・・・「第27話」?!
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2018年02月27日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第25話 ~きっと神~
わたしはブレーキに足をかけ
ゆっくり目線を右側へと延ばす
「・・・顔?」
「・・・人?」
「恐いんですけど・・・」
「なに?」
光と暗闇のコントラスト
大きな目があるのは分かる
顔らしい輪郭もなんとなく見える
得体の知れないそれは
ピクリとも動かない
わたしも動かない
「ザザザザッ」
何故かステレオにノイズが走る
恐怖が走る
わたしはハイビームを
それに当てる
暗闇に浮かび上がる
光のシルエットは
人ではない
「お、大きい」
「つ、角?」
そのシルエットは
もののけ姫のシシ神様に
デジャブする
「鹿?」
「なんか見たことある」
「・・・?」
「シシ神様だ」
無表情で角は大きく
無数に入り組んで伸びている
神を崇める様に
わたしはハイビームを当てるのを
すぐにやめた
それと同時に
ゆっくりと右側の森から
車道へと出てきた
シシ神様が
ゆっくりその姿を現す
「で、でか」
動物園で見る鹿とは
あきらかに違う
一回りも二回りも大きいだろう
角だけで1メートル以上はある
ゆっくり車道へと降り立った
シシ神様との差
およそ10メートル
ヘッドライトの白い光と
茶色であろううっすら見える毛並み
暗闇の黒が重なる
鹿らしきそれは
絶妙な光のバランスで
金色に輝いてるように見える
「シ、シシ神様じゃん」
わたしにはどう見ても
もののけ姫の
あの登場シーンが重なる
ブレーキに足をかけたまま
わたしは動けない
車道に降り立った
シシ神様が
ゆっくりこちらを向いた
背筋にゾワっと
緊張が走った
金縛りにあったかの様に
瞬きすらゆるさぬ
圧倒的存在感
こんな生物に出会ったことがない
恐怖や不安もあったが
それと同じくらい
見たこともない生物に出会えた
高揚感も感じていた
まだ寒さ残る冬の山
わたしは体が熱くなっていた
こちらを向いて
見つめ合っていたのは
およそ1分ほどだっただろう
時間で言えば1分だが
その間はとてつもなく
長い時間が経ってるように思えた
シシ神様は
ゆっくり動きだし
左の闇に消えていった
「シシ神様だよな、絶対そうだよな」
「あれ?ていうか左側って崖じゃね?」
わたしは10メートルほど
車を進めて
左側の崖を覗き込んだ
「暗?暗くて何も見えん」
わたしは暗闇の崖を見つめた
目を細めて見渡すが
何も見えなかった
「見ちゃったよ、神」
「うおぉぉぉーーーー」
興奮が押し寄せた
次回・・・「第26話」?!
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2018年02月27日
「風俗店員とうさぎ」作者・出版社不明
第24話 ~獣道の行く手~
ゲオへ行くつもりが
夜の山へ
不気味さにかられ
急に不安にもなったが
夜景を目指し
わたしはアクセルに足をかけた
確認しておくが
男ひとりだ
とってもロマンチックである
登り始めると
すぐに車一台分の幅
完全に山道となる
対向車が来れば
最悪な状況の幅だ
しかし
良いのか悪いのか
この後
一台も対向車は
現れなかった
登れば登るほど
小石が散乱していたり
枯れ葉や折れた枝
舗装されてない道
落石などが点在する
獣道と言うのだろうか
ヘッドライトの明かりだけが
頼りだ
正面だけが照らされ
横を向くと
暗闇に包まれた森が広がる
暗すぎて見えないが
何かがいる、何かが見えてしまう
そんな恐怖で横を向くのはやめた
変な緊張感のなか
15分ほど登ってきただろうか
目下に見え隠れする
光の散らばりに
登ってきた山の高さを
感じていた
大きく弧を描いて
曲がったあと
数十メートルはある
直進の坂が現れた
左側はガードレールの無い
崖になっている
右側は細い枝が道に覆いかぶさる様に
うっそうと木々が茂る暗闇の森
一直線に急勾配
グッと斜めになっているのを
感じながらゆっくり登る
正面だけをヘッドライトが照らし
少しだけ右側の森に光がにじむ
わたしは正面だけを見据えて
登っていたが
正面右側に何かを感じた
何かがいる?!
次回・・・「第25話」?!
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